ハイエースTRH112のタペットカバーガスケットのオイル漏れ修理の記事です。
この記事はこんな方におすすめ。
- エンジンを止めた後、なんか焦げ臭い
- 走行距離は10万㌔を超えている
- 登録からの15年を超えている
いずれかに当て嵌まる方は、タペットカバーガスケット、そろそろ怪しいです。
費用は1万円ほどです。
タペットカバーガスケットとは
まずタペットカバーとは。
エンジンって、大雑把にいうと、4段重ねの重箱のようになっています。
で、重箱の1番上にあたるのが、タペットカバー。
はずすとこんな感じで、エンジン内部のカムシャフトが見えます。
タペットカバーガスケットは、タペットカバーパッキンとも言います。
重箱で言うところの、1番目と2番目の間のパッキンですね。
ほとんどの車で、ゴム製の部品が採用されています。
エンジン本体のオイル漏れでは、一番多い箇所です。
エンジンの一番上なので、漏れたオイルは下に伝わり、
熱くなったエンジン本体に焼かれるため、焦げ臭いニオイがしやすい。
外部リンク→タペットカバーパッキンとは
ちなみに、上から2番目はシリンダヘッド。
3番目はシリンダブロック。4番目がオイルパンです。
2番目と3番目の間には、ヘッドガスケット、
3番目と4番目の間には、液体パッキンがついています。
入庫時の状況
車検で入庫のハイエースTRH112。
ユーザーさんは何も言ってなかっけど、なんだか焦げ臭い。
見てみると、タペットカバーからオイル漏れ。
タペットカバーは、エンジンの一番上のガスケット。
開けるとカムシャフトが見える部品です。
シート下パネル取り外し
意外と簡単そうに見えるタペットカバーガスケット。
やってみると意外と手間がかかります。
何がって。1番はココ。
インテークダクト奥のボルト、めっちゃはずしにくい。
このボルトはずすために、
運転席とシート下パネルをはずしていきます。
後々タペットカバー脱着の際にも、シート下パネルは邪魔になるので、
先にはずしていきます。
運転席取り外し
前後のボルト4本 14mmはずしていく。
シート下にシートベルトの配線もあるので忘れずに。
シートを外せば作業スペースがかなり出来る。
サイドブレーキワイヤー取り外し
サイドブレーキレバーのカバーをはずす。
プラスネジ2本。
ついでにシフトレバーのカバーもはずす。こちらは4本。
シフトレバーははずさなくても、カバーが浮けばOK。
サイドブレーキワイヤーは、レバー付近ストッパーをはずす。
留め具をはずす。
ゴムを抜いたら、パネルの裏側へ。
下からボルト2本で固定されているので、はずしていく。
見にくいので、後々のパネルはずした後の写真です。
シート下パネル取り外し
ココまでくれば、パネルはボルトはずしていくだけ。
サイドブレーキセンサコネクタ(紫丸)をはずし、
メインハーネスグロメット(緑丸)もはずしておく。
メインハーネスをくぐっているため、パネルのボルトを外しても可動範囲は少ない。
それでもパネルははずした方が後々楽です。
タペットカバーガスケット交換
シート下パネルがはずれて、やっと。
インテークダクト奥のボルトを緩めることができる。
インテークダクト取り外し
奥のボルトと電スロ側のボルトを緩め、ダクト前後のボルトをはずす。
ホースも2本はずせば、インテークダクトははずれる。
スロットルボデーとブローバイの穴は、異物を落とす可能性がある。
マスキングやウェスで塞いでおくと吉。
コイルコネクタ・コイル取り外し
IGコイルのボルトとコネクタ取り外し。
またブローバイホースのバンドもはずす。
ブローバイホースは、シリンダヘッドにボルトで止められている。
タペットカバーをはずすのに、邪魔になるのでエンジン後ろのボルトははずしておく。
紛失注意!12mmボルトです。
またついでにメインハーネスのクランプも、タペットカバーからはずしておく。
タペットカバー取り外し
いよいよメインのタペットカバー取り外し。
ボルトは周囲もコイル部も全部同じ長さ。
周囲はボルト11本とナットが2本。
コイル部がボルト8本。こちらも紛失注意。
はずす方は、別に問題ないと思いますが。
ボルト・ナットがはずれれば、タペットカバーがはずれる。
はずす際、シート下パネルがあるとかなり引っ掛かるが、今回ははずしてあるので大丈夫なはず。
古いタペットカバーガスケットは、ゴムがカッチカチ。
コイル部に至っては粉々になりそう。
タペットカバー取付
タペットカバーガスケットを新しいのに付け直して。
シリンダヘッドと接触するところは、かなり汚れているので掃除しておく。
エンジンブロックとチェーンカバーの隙間部分は漏れやすい。
掃除後、液体ガスケットを、塗布しておく。
新しいガスケットをカバーにつけて、エンジンに取付。
メインハーネスがかなり引っ掛かりやすいので慎重に。
特にエンジン後ろ側のブローバイホースは挟みやすい。
全てのボルト・ナットをつけたら、あとは復元していく。
復元後は、液体ガスケットが乾くまで1時間ほど放置。
その後、ガスケット付近を再洗浄して試運転。
オイル漏れがなくなっていることを確認する。
まとめ
タペットカバーの脱着くらいと思って舐めてかかってました…
シートやサイドブレーキの取り外しは意外と大変。
だけど、パネルはずすのなしだと、今度はタペットカバーの脱着が大変になりそう。
何より踏ん張りが聞かなくて腰を痛めそうです…。
- 先にシート下カバーを開けるのがおすすめ
- ガスケット交換をすると、焦げ臭いニオイが直る
- 修理費用は1万円ほど
正直、費用は割に合わないよなー。
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