タントLA650Sのスライドドア異音修理の記事です。
この記事はこんな方にオススメ。
- 開閉時にシャカシャカ音がする
- パワースライドのモーターはどこ?
- 修理費用はいくらくらい?
今回の車両はタントファンクロスLA650Sです。
LA650S系ならカスタムもカジュアルもファンクロスも同様の作りになってますね。
入庫時の状況
R5.6月登録のファンクロス。
走行距離は6000km程度。
スライドドアから音がするとのことで入庫。
スライドドアの音って言うと、
- 開閉時のレール部の鳴き
- 走行振動によるコトコト音
このどちらかが多いんですが、今回は違った…
シュルシュル音?何かがこすれているような…異音はこちら。
前半の開けるときはノイズ混じってしまった…
でも後半の閉めるときは明らかに音が出ています。
異音が出ているのは左側ドア。
右側は出ていませんでした。
ちなみにパワースライド電源をOFFにして、手動で動かしても音は出ます。
原因追求
異音の出どころを確認していく。
前述の通り開閉時の異音は、レールのローラ部の異音が多い。
しかし開閉していても音が移動していく感じがない?
つまり、ドア側ではなくボデー側か?
音が出そうなところって、残るは
- パワースライドモーター
- パワースライドのガイド
あたりが思いつくけど、ボデー側って…。
モーターってドアの中じゃないのか?
異音の発生源は、助手席足元下あたりな気がする…。
調べてみると…
この車のモーターは、後席足元の床下にあるらしい。
なるほど、それなら納得がいくね。
分解・原因追求
というわけで分解していく。
目標物はフロアカーペットの下。
音の発生源とモーターの位置が類似しているので、可能性はかなり高いと判断。
そこそこ大仕事になりそう。
助手席取り外し
エアバッグコネクタ取り外し【要注意!】
まずは、バッテリーマイナスを取り外し。
助手席下にあるコネクタ2つのうち黄色の方は、サイドエアバッグのコネクタ。
バッテリーをはずしても90秒以上置いてから、コネクタをはずすこと!
これ、絶対です。
エアバッグ暴発しても知りません。
エアバッグ側の黄色コネクタは外し方が少し特殊。
動画では、先に外してありますが、ツメがこんなふうに動きます。
ツメを引っ張るとコネクタがはずれる仕組みですね。
クランプも外してからの方がはずしやすいです。
もう一つの助手席重さのセンサコネクタも取り外します。
ボルト取り外し
あとはシートレールに取付けられた、ボルトをはずしていく。
前後左右で4ヶ所。
右前ボルトは剥き出しですが、他の3ヶ所はメクラで隠れています。
取り外し前に、助手席の位置に注意!
シート位置は、1番前や1番後は避けた方がいいです。
つまり適当に真ん中辺くらい。
その方がシートレールエンドがはずしやすいです。
14mmボックスではずしていく。
はずれた助手席は車から下ろしてしまいましょう。
これだけでもかなりすっきり。
ちなみにシート位置は一番後ろではずしていまいました…
この状態でも、レールエンドははずれますが、かなりやりにくかった…
フロアカーペット取り外し
シートがはずれてスッキリしたところで。
つぎはレールのカバーをはずしていく。
エンド部はずした写真です。
取付は3ヶ所のツメ。かなり固めです。
いずれも外側(左右方向)から押す感じ。
左右のレール前後で4ヶ所取り外します。
そしたら今度はレールカバー。
写真忘れた…。こっちは引っ張れば取れます。
あとはスカッフプレートを前から後ろまで全部取り外し。
順番があること以外は特に注意点もないかな。
ついにフロアカーペットがめくれます!
パワースライドモーター取り外し
上動画の、手前側鉄板部分にモーターが隠れています。
前後の断熱材は、作業の邪魔になるのではずしましょう。
鉄板はボルト4ヶ所でフタがしてあります。
開けてみるとこんな感じ。モーターが見えますね。
この状態でスライドドアを動かしても音が出ます。
バッテリーマイナスをはずした状態なので、手動操作ですが。
モーターのコネクタははずしておきましょう。
あとはモーターをはずしていく。
ボルト3本はずせば、はずれます。
モーターなしで、スライドドアを動かすと…
出てますねー。シャカシャカ音。
つまり、原因はベルトガイドで確定です。
というわけで部品注文。納期を待ちます。
部品交換
ベルトガイドを取り外していきます。
作業工程ではスライドドアの下端レールをはずすため、かなり注意が必要です。
お手伝い要員を確保し、傷防止のための毛布などを用意しましょう。
ベルトガイドボルト取り外し
ベルトガイドは、ドアの下側レール奥に入っています。
レール側から除いても写真撮ってもうまく見れないので割愛。
上から見るとこんな感じで入ってます。
レールのすぐ外あたりに傷つき防止でマステを貼っておくと吉。
ドアの下側ローラーをはずすことになるので、先にドアの下に廃タイヤを敷きました。
ちなみにサイズは145/80R12を2本。
自分は一人でやったので、タイヤで支えました。
お手伝い要員を確保出来るなら持っていてもらった方が確実です。
でベルトガイドのボルトをはずしていきます。
青丸4つと紫丸2ヶ所。
紫丸の方はスライドドアの下側ローラーとの接続部になるので注意。
とはいえまだローラーははずれないけども。
スライドドア下側ローラー取り外し
つぎは、レールからブラケットをはずすことで、ローラーの通り道を作ります。
10mmのボルトとブラケットをはずします。
はずすとローラーがよく見えますね。
ここから、ゆっくり下側ローラーをレールからはずしていきます。
はずしたローラーは油断するとボデーを傷付けるので、毛布をあてがいます。
ゆっくりドアから手を離しても大丈夫なはず。
不安な方は無理せず誰かに手伝ってもらいましょう。
ベルトガイド取り外し
ここまでくれば、奥に入っていたベルトガイドをはずすだけ。
ベルトガイドを後方側から抜いていきます。
今回は左側なので、左後方に部品を持っていってから、前側も抜いていきます。
ほーら、抜けた。
新品の部品を逆手順で組み付けていきます。
スライドドアローラー、パワースライドモーターまで取り付けたら、再確認。
ちゃんと異音消えていますね。
道のり、ながっ。
あとは逆手順で復元です
まとめ
- ドア開閉のシュルシュル音の原因は、ベルトガイド
- ベルトガイド脱着は、要シート脱着+ドアレール下取り外し
- 今回は保証対応で、費用は無料
スライドドアの異音の中では、かなり珍しい部類に入るかも。
それだけに修理の内容がわかっているのといないのとでは、実施するときの気持ちが違う。
モーターと比べれば、ベルトガイドの費用は比較的安価。
だから、モーター交換を伴うならベルトガイドも一緒に交換してもいいかも。
そういえば、助手席脱着時、エアバッグハーネスをはずす。
その状態で、バッテリー接続し電源入れたりすると、
エアバッグランプ点灯します。要ダイアグ消去。
シートがはずれていれば、暴発することはないけどね。
コメント