【ブレーキが効かない?】タントLA650S ブレーキアクチュエータ交換

ブレーキアクチュエータ 足回り・ミッション修理

タントLA650Sのブレーキアクチュエータ交換の記事です。

ブレーキアクチュエータは、ABSアクチュエータ、VSCアクチュエータなんて言い方もしますね。

この記事はこんな方にオススメ。

  • ブレーキが急に効かなくなった
  • ブレーキペダルが床までついてしまう
  • ブレーキの警告灯が点灯した

以上の症状が出た方は、即刻走行をやめましょう

事故に至る可能性が非常に高いです!

安全なところに車を停めて、レスキューを待ちましょ。

入庫時の状況

実は自分の友人の車の話です…。

本人から直接、ブレーキの調子がおかしいとの連絡。

ブレーキペダルが底付きするとのこと。

チェックランプの点灯はない、との事でした。

 

少し離れたところに住んでいるため、

自分の店とは違う、近所のディーラーへ自走したようです。

そちらでは、アクチュエータ不良と判定されたようですが、

ディーラー側も自信がない様子でした。修理は保留。

 

ユーザー宅へ伺い、レッカーで引上げさせてもらいました。

乗せるとき少し運転しましたが、

確かにペダルか底までいっちゃいます…。

とても公道を走る気にはならないですね…。

友人は、これを症状出てから自宅まで運転したとか。

正気じゃ出来ないな

 

入庫した時点では、

リザーブタンクにブレーキオイルは十分入っていました。 

またタイヤをはずして、キャリパとホイールシリンダーも

漏れは確認されませんでした。

ブレーキホースも切れていませんね。

 

ブースター良否の確認のため、

EgOFFの状態で、ブレーキペダルを数回踏んで、

ペダルをカッチカチにしたあと、Eg始動すると、

ブレーキペダルが奥に下がることも確認。

ブースターも、良さそうですね…。

原因追求

原因なんだろなー。

ここまで見て、ありそうな部品をいくつか上げてみると…

  • マスターシリンダー油圧不足
  • アクチュエータ内の詰まり

あんまり聞かないけど、この辺りかな?

一応、ブレーキテスターで制動力を測っても、

奥までペダル踏んでしまえば、前後とも一応制動力は出ます。

それこそ車検では合格レベルで。

ペダルは相変わらず、深く入っちゃうけどね。

これを考えるとマスターシリンダも大丈夫な気がする…。

 

残るはアクチュエータか?

アクチュエータって部品代10万くらいするやん!

んー、どうしたものか…。

 

メーカーにも相談したところ、数件、同様の症例はあるらしく、

アクチュエータだったりマスターシリンダだったりの、

交換で直ったと言うことでした。

どちらもあるとのこと。うーん。

 

悩んでいたら、アクチュエータの中古部品をヤフオクにて発見。

びっくりの6000円!やすっ。

ユーザーにも相談して、半分ダメ元で

中古部品でアクチュエータを交換することにしました。

 

ちなみに部品の品番は、何もはずさなくても、

スマホ突っ込めば、品番確認出来ました。

アクチュエータの品番確認

アクチュエータ交換作業

アクチュエータを交換することになりましたが、

自分はやらなかったけど、ブレーキオイルのエア抜きをするのも手かも。

それで済んでしまえば、一番安いしねー。

 

タントLA650Sのブレーキアクチュエータは、

バッテリーの奥にあります…。かなり狭そう。

写真はバッテリーをはずした状態。

アクチュエータ搭載位置

 

カウルルーバー取り外し

とりあえず作業スペース確保のため、

バッテリーとカウルルーバーをはずしていきます。

バッテリーの取り外しは、説明省きます。

 

ワイパーの付け根の、キャップとナットをはずして

ワイパーをブレードごとはずします。

ワイパーブレード取り外し

カウルルーバーの左右のカバーもはずします。

形状をちゃんと把握してないと、割れるので要注意。

内側のツメ2ヶ所を浮かせてから、

青丸部分(車両前方)は下にくぐらせてはずし、

最後に後方のクリップをクリップはずしではずします。

ルーバー端のカバー

はずすとこんな感じですね。

ルーバー端カバーをはずした状態

再度ボンネットを開けて、左右にあるクリップをはずします。

ウォッシャのホースも切り離しておきます。

左右クリップとウォッシャホース

ルーバー下側のクリップもクリップはずしで浮かせておきます。

ルーバー下側のクリップ

ここまで来たら、ルーバーを引っ張ってはずします。

ルーバー上側は、ツメで取り付けられているので、引っ張ればはずれます。

はずれました?かなり視界が開けますね。

ルーバーをはずしたところ

コンピュータコネクタ取り外し

アクチュエータを周辺には、メインハーネスがあります。

Egコンピュータのコネクタをはずしておくと、

配線をある程度、動かせるので、はずしておきましょ。

コネクタの留め具をはずしてから、コネクタをはずします。

コンピュータのコネクタ取り外し

アクチュエータのコネクタも同様にはずしておきます。

アクチュエータのコネクタ取り外し

コネクタは、ブレーキオイルなどが入ると故障の原因になるので、

マスキングしておくと安心です。

コネクタのマスキング

その他、Egコンピュータ付近についている、

アースボルトもはずしておくと、作業が楽になりますね。

アースボルト取り外し

ここまでやれば、メインハーネスがかなり動きます。

作業スペースに余裕ができますよ。

ブレーキパイプ取り外し

続いてブレーキパイプをはずしていきますが、

その前に。マスターのエア噛み防止。

ブレーキペダルをしっかり踏んだ状態で固定します。

ブレーキペダル固定

これをしておくことで、マスターシリンダに

エア噛みが激減します。絶対おすすめ。

マスターシリンダはエア噛みすると、かなり抜けにくいので、

交換後の作業がかなり省略できます。

 

その後、キャリパとドラムについてるブリーダーを

少し緩めてまた締め直します。

油圧を抜いておきます。

 

で、パイプをはずしていきます。

アクチュエータについているパイプ、

入口側2本(青丸)、出口側4本(紫丸)を、はずします。

取付時、間違えないように、写真を撮っておくことをおすすめします。

ボルトの長さが違うし、あまり自由も効かないので、

よっぽど間違えないとは思いますが…念の為。

ブレーキパイプ取り外し

ブレーキオイルが多少出てきますが、少しだけです。

初めてだったので、オイル受けを用意しましたが、

ほとんど必要なかったです。

パイプがはずれたところ

アクチュエータ本体取り外し

パイプがはずせたところで、本体の取り外し。

アクチュエータの右側に1つと下側2つ、ナットでついてます。

アクチュエータ本体取付のナット

ワッシャもついているで、はずしたときに紛失注意

クッションゴムでステーに取付されてます。

ステーは、そのままでもはずれるかと奮闘しましたが、

結果はずれず…おとなしくステーも外したほうが良さそうです。

 

ステーは3本のボルトで固定されています。

下2本は、車をリフトアップして下からはずせます。

上側の1本は上からはずしました。

ステー取付ボルトの位置

少し見にくいですが、アクチュエータがはずれた状態の写真です。

ステーは、上のボルト付近(紫丸)で、引っ掛け部があります。

アクチュエータをはずすには、浮かせる必要があるかも。

ステーの引っ掛け

ステーが浮かせられたら、アクチュエータもはずせます。

言うのは簡単ですが、この辺が一番時間かかるかも…。

解けない知恵の輪に挑んでる感じですね…。

入力側パイプを手前下側に下げるとはずしやすいです。

くれぐれもパイプを曲げないように。

 

なおステーの交換は必要ないので、再使用です。

新旧部品比較

はずした部品を、注文した中古部品と比較します。

新旧部品比較

見た目じゃ違いなんて全然わからんです。

ただメーカーに聞いたところ、内部にサビが発生し、

ソレノイドが固着することがあるようです。

 

ソレノイドって要は電気式のバルブですね。

それが開きっぱなしになるのか、閉じっぱなしになるのか知りませんが、

とりあえずキャリパやホイールシリンダーまで油圧が

届かなくなるってことですかね。

一応制動力出てたけどなー。

 

まぁとりあえず交換してみましょ。

部品組付け

じゃあ折り返して、部品を組み付けていきます。

まぁ基本的には逆手順です。

最後にブレーキオイルのエア抜きを忘れずに。

 

アクチュエータとステーの組付けは、はずしたとき同様に、

アクチュエータをステーの中に入れてから、

ステー組付けして、アクチュエータ組付けして、

パイプ組付けはその後でもできましたね。

 

ブレーキオイルのエア抜きも、

マスターのエア噛み防止をしておいたので、

車検のときくらいのエア抜きでOK。

エア抜きまで終わったら、アクチュエータ周辺と

キャリパ、ドラム周辺は水洗いしておきましょ。

 

そしていよいよ試運転。

ちょっと緊張しましたが、普通にブレーキ効きました。

ペダルが奥まで入ることもなそう。

徐々に車速もあげましたが、全然問題なさそうです。

制動力テストもチェック。左右差もなし。

ちゃんと納車できそうですね。

まとめ

今回は、タントのブレーキ不調の修理でした。

症状は、ペダルが奥まで入ってしまい、

ブレーキの効きがかなり悪い状態でした。

まず、この状態になったら、安全に停めれる場所に停めて、

レスキュー待ちましょ。危険です。

 

修理内容は、ブレーキアクチュエータの交換。

ただ原因としてはマスターシリンダとかの可能性もあるかも。

どちらかはなかなか絞りきれないので、やってみるしかない、

ってとこもあるかもです。

今回は、中古のアクチュエータで症状改善されました。

 

アクチュエータは新品だと10万近くする部品。

お店によっては、部品代先に払えって言われるかも…。

整備士からすると、合ってるかどうか不安だからそんなこと言ってます。

今回も、ユーザーが中古でもいいって、ハラをくくってくれたので、

こちらとしても交換しましたが…

そうでなければ、いつまでも悩んでいたかも…。

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