タントLA650Sのファンクロスの、スロットルボデー修理の記事です。
この記事は、こんな方におすすめ。
- 走行中に急にアクセルが吹かなくなった
- 10km/h以下くらいで、ギリギリ走れるが、加速出来ない
- 警告灯がたくさん点灯した
これらの症状は、スロットルボデー不良かも。
ちなみに、新品部品は65000円程。交換工賃は7000〜8000円程度です。
入庫の経緯
夕方に、走行中に走れなくなった、とのユーザーから電話。
警告灯もいっぱい点灯し、怖くて走れないとのこと。
当然出張で対応。代車を積車に積んで、レスキューへ。
現場で代車を引き渡し、ユーザーの車の様子を見る。
自分がついた時は、エンジンは止まっていた。
始動してみると、なるほどエンジンのチェックランプ。
警告灯がついてはいるものの、走行は出来てとりあえず入院へ。
翌朝ダイアグ確認のため、再始動すると
昨日まで点いていた警告灯は、一切なし。
過去ダイアグで数ヶ所。
その中で気になるのは2点。
- P2119 スロットルシステム異常
- P0706 シフトポジション無入力フェイル
原因追求
上記2つ以外のダイアグは、
何かしらの異常が出たときによく出るものなので、
今回は一旦保留。
ユーザーにも当時の状況を確認しつつ、2つのダイアグを中心に確認していく。
で、ユーザーの話はこちら。
- 走行中に、アクセルペダルを踏んでも加速しなくなった
- それから警告灯がかなりたくさん点灯
- かろうじて路肩には停めれた
- 不安になってエンジンを止めた
- その後、エンジンを再始動はできなくなった
P2119 スロットルシステム異常
話を聞く限りは、スロットル異常時の退避行動っぽい。
上記のアンダーライン部分が退避行動にあたる。
外部リンク→スロットルボディ(TB|すろっとるぼでぃ)とは…
タントのスロットルボデーは電動スロットル。
メインとサブと2つのセンサで、バルブ開度を検知しており、
2つのセンサに矛盾が発生すると、退避行動制御になる。
バルブ開度によっては、危険運転に繋がる可能性があるので、
センサが2つあるのは、片方が異常になった場合、
退避行動制御になるようになっている。
最低限、路肩など安全な場所に車を停めるための制御。
アクセル全開になったら危ないもんね。
ただし、同様の退避行動はアクセルセンサ不良時にも起こる。
今回は、スロットルボデー不良の可能性がかなり高そう。
P0706 シフトポジション無入力フェイル
続いて、こちらのダイアグ。
似たようなダイアグで、多重フェイルってのもある。
無入力は、コンピュータがシフト位置を認識できていない。
多重は、シフト位置を複数検知しているってこと。
正直、初めて見るダイアグ。
ただ、ダイアグが立った瞬間の、コンピュータのシフト認識状態は、
診断器で確認することができる。
が、確認すると、問題なくDレンジのみON。
他はちゃんとOFFになっている。
そのときのシフトレバー位置まではわからないんですが。
走っていたのだから、Dレンジなのは当然と考えられる。
他があったとしても、SレンジやBレンジ。
ユーザーさんから、エンジンブレーキをかけたという話も聞かなかったので、
現状は、こちらは正常と判断しました。
スロットルボデー交換作業
まだ年数が新しいので、スロットルボデーは保証交換対応。
念のための対応という感じ。
前述しましたが、有料修理の場合、費用は7~8万程度。
少し考えてしまう金額かな。
道中、ボルトなど小さい部品を落とさないよう、作業は慎重に。
インタークーラー取り外し
インタークーラーから外していく。
まずはダクトから。
青〇クリップ2ヶ所はずして、車両前方にダクトを引っ張ればはずれる。
つづいてインタークーラー本体。
青○10㎜ボルト4本と、紫○ホースバンド2つ。
それから写真には写っていないですが、奥に細いホースをはずす。
この1本は取付時も忘れがち。要注意。
スロットルボデーの真上の太いホースもはずす。
ウォーターホース取り外し
スロットルボデーは冷却水が回るようになっている。
ホースは必ず2本ついているので、はずす。上記紫〇。
このとき、ゴムホースを車両側に残すと、
ホースを挟んで、冷却水が漏れ出るのを止めることができるのでおすすめ。
作業後の、エア抜き作業時間が、かなり短縮される。
スロットルボデー取り外し
スロットルボデー本体は、ボルト3本で固定されている。
コネクタもはずせば、それではずれる。
本体を、比較してみるけど、さすがに新しくて違いはほぼありません。
左が新品。右が旧品。
走行距離もまだ1万キロも言っていないので、カーボン付着もほぼないね。
スロットルボデー取付
往路は、逆手順。
インタークーラー裏側の細いホースは忘れないように。
当然、冷却水のエア抜きも必須。
それで交換作業は終了。
まとめ
スロットルボデーの不良だと、まともに走行できない。
ユーザーさんとの問診は必須だが、ダイアグがあれば、部品交換していいレベル。
- 10 km以下でだけ走行出来るのは退避行動
- その際、警告灯は多数点灯
- 退避行動が出るのは、スロットルボデーやアクセルセンサの不か良
- 再始動して走行できることもある
偉そうに書いてるけど、退避行動なんて、自分も経験ないです。
こんなん急に出たら、自分もどうしていいかパニックになりそう。
落ち着いて安全なところに停めて、レスキューを待ちましょう。
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