ミライースLA350Sのボデー統合ECU交換の記事です。
ダイハツ車は、ボデー統合ECUの不具合多いですね。
キーフリー関係だったり、ドアミラー関係だったり、ウィンカー関係だったり。
理由は様々だけど、いずれもボデー統合ECUを間に噛んでいるので。
この記事はこんな方にオススメ。
- バックドアが開かない
- ドアミラーが左右共に開かない
- キーフリーが反応しない
- キーフリーのアンサーバックがない
- バックカメラ(純正)が映らない
などなど。修理内容はさまざま。
この症状、ボデーECUっぽいな、と思っても、
一応、それぞれの部品も確認する必要があるから、誤診は要注意です。
ボデーECUの交換する場合は、キーフリー再登録が必要になります。
入庫の経緯
バックドアが開かないとのことで入庫のミライースLA350S。
今回の車両はキーフリーのタイプ。
ミライースは、ほとんどのユーザーがキーレスタイプを選ぶ中、ミライースのキーフリーは珍しいんだけどね。
現象確認
バックドアのアウターハンドルには、前左右2枚のドアと違って、
ロック専用の丸いボタンと、バックドア開ける専用の四角いボタンと2つある。
ドアロック機能自体はスマートキーで開閉可能だし、左右のドアのリクエストSWでも施錠解除出来る。
今回の車両は、バックドア丸ボタンでのロックは可能。
で本来なら四角いボタンで、ロックを解錠しながらドアが開くんだけど、
ロックは解錠出来るものの、ドアが開かない。
ドアロックアクチュエータではないのか?
故障箇所診断
バックドアの四角いボタンで、全ドアのドアロック解錠できるってことは、
ドアのボタンは大丈夫そう。
バックアクチュエータ周辺の配線図を持ってきて、いろいろ確認。
配線図を見る限り、ドアSW(四角のボタン)からの入力信号は、一旦ボデー統合ECUにはいる。
で、ECUからアクチュエータに電源が送られて。
アクチュエータが作動して、アースに落ちる、と。
ドアSWで全ドアが解錠されるのでドアSWは大丈夫そうだな。
つまり可能性がありそうなのは下の4つ。
- ボデー統合ECU
- ボデー統合ECUからドアロックアクチュエータの配線
- アクチュエータ
- アクチュエータからアースまでの配線
ボデー統合ECUは高額なので、とりあえず保留として。
見やすいとこから順番に見ていく。
てかそれぞれ見てるとこ写真撮らなきゃ、だったなー。
ちなみに。
もしボデー統合ECUを交換する場合、キーフリーの登録の再設定が必要になる。
ユーザーからスマートキーすべてを預かる必要があるので忘れずに。
登録はディーラー等でやってもらう。
バックドアのアクチュエータ作動確認
アクチュエータに直接12Vをかけてみる。
とはいえアクチュエータのコネクタは、かなりはずしにくく、ましてや単体点検なんてとは思ったが。
配線図からプラス側とアース側配線を探し、12Vかけると…
開く。
開くやん。
アクチュエータじゃないね。
でもドア開いたおかげで作業はしやすくなった。
アクチュエータからアース間の配線
まずは見やすいアース側から。
アクチュエータからボデーアースまでの、配線導通を見ていく。
このとき、アクチュエータの抵抗を拾わないように、コネクタははずしておく。
アースまでの導通はちゃんとあるね。
ここはOKと。
ボデー統合ECUからアクチュエータ間の配線
続いて電源側。
ボデーECUからのコネクタ確認すると、ECU の裏側やん…
ボデー統合ECUは、グローブボックスはずした奥。
ただでさえ、他にもいろんなコネクタささってんのに。
面倒くさ
でも見なきゃ始まらないのではずしていく。
あ、ECUコネクタはずす前にバッテリマイナスはずすの忘れずに。
表側がはずれて今度は裏側。
やっと見えてきた。
一応この緑配線が、アクチュエータに接続される配線。
アクチュエータのコネクタの配線と導通を確認。
あるやん、導通。
途中、コネクタがいくつかあるみたいだけど、全部OKってことやんな。
ってことはつまり…
ボデー統合ECUの交換
ボデーECUっぽいねー。
ちな部品代は38,300円+税。高いねー。
ECUからの電源が来てるかどうかもみたいけど、
前述の通りECUの裏側にコネクタがあるから、実質不可能か?
まぁそこから分岐させて配線引っ張ってこれば見れなくもないか。
ECUは高額部品なので、交換前は少しためらうけど、ここまで見てれば大丈夫っしょ。
交換作業そのものよりは、前述の診断の方が遥かに手間だしねー。
コネクタがはずれていれば、交換もほぼ終わったようなモン。
ただECUの部品は、すぐに入らないのでその間、車が動かせないから注意。
動かしたければ、ECUをもう一度組み付けるしかない。
まとめ
ECU交換後は、前述のキーフリー再登録も忘れずに。
イモビライザーの設定も新品ECUで設定する必要がある。
キーフリー追加登録は診断器なしでも可能だが、新規の登録は専用診断器が必要になる。
社外秘なので説明も割愛。ディーラーでやってもらうべし。
ちなみにボデーECUの保証期間は通常3年、保証延長入っていれば5年です。
おまけ(ムーヴLA150Sバックカメラ映らない)
5/31追記。
ムーヴLA150Sは、ドアミラー開閉しない、ボデーECU不良が多い。
そんな中から、今回はバックカメラが映らない、との車両が入ったので紹介。
車検で入庫のムーヴLA150S。H27年なので、もう9年ですが。
ユーザーさん半分あきらめ調子で、バックカメラって安く直りませんかね?と。
ちなみに社外カメラではなく、純正ナビパッケージのカメラです。
この年式だけかもしれないけど、ナビとカメラの間に、カメラECUを搭載しています。
で、調べてみると、カメラECUに電源が来ていない、と。
ちなみにカメラECUは、プッシュスタートSWの奥に搭載されています。
その電源はヒューズボックス(兼ボデーECU)のバックアップ電源から、でした。
ヒューズが切れています。新品に取替ても瞬間で切れます。
ユーザーさんに話を聞くと、他にも症状わんさか。
- キーフリーのアンサーバックがない
- オートエアコンが、つけていてもEgOFFすると、エアコンもOFFになっている
- ドアミラー左右開閉しない
- メーター内スモールランプのインジケータ、球が点灯していても、インジケータが不灯の時がある
いずれもボデーECUっぽい症状。
今回は、車検だったので、完成時間も決められており、
バックカメラ以外の点検まで、十分できなかったが。
バックカメラの電源は、他から常時で電源をもってくることで、解消。
無事にバックカメラは映るようになりました。
古いんだからこれくらい壊れてもしょうがないよね
みたいな調子だったので、返却させていただきました。
ぃゃ、しょうがなくないよ?そんなに普通壊れないよ?
と思ってしまった。
でも、あんまりお金もかけたくなさそうだったしねぇ。
でもこれだけのことが起きるのか、と思う案件でした。
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